前編でもお話しした通り、日本政策金融公庫や制度融資などの創業融資を申込む際に
気になる自己資金について、今回は後編です。
自己資金は、基本的に
「預金通帳で確認ができ、出どころが確かな現金で返済義務が無いもの」
しかしながら、中には
”通帳で確認できない資産も自己資金として認められるもの”もあるため、
その具体的な種類などを元にお話を進めていきたいと思います。
そもそも自己資金には色がある?
自己資金はコツコツ貯めたお金とお伝えしてきましたが、それ以外でも
自己資金として認められるお金があります。
具体的にどのようなお金が自己資金として認められるのでしょうか?
◆親族や友人などからの援助
親族や友人などから援助を受けられることもあると思います。
この場合、贈与契約書を締結し、親族名義の口座から振り込んでもらうなど、必ず証憑を明示することが自己資金と判断されるカギになります。
返済義務が無いという事を証明することが一番重要です。
◆退職金
退職金もご自身がコツコツ働いて得られるものなので、当然自己資金として
認められますが、金額の根拠となる資料や、源泉徴収票などで、返済義務のない自己資金と
証明することが必要です。
◆保険や株式など資産の売却
保険の積立や株式の売却などで得られるお金も、自己資金として認められます。
この場合、融資を受ける前に必ずしも現金に変えておく必要はありません。
これらは解約すればお金が戻ってくるというものなので、それらを証明できる証憑を
付けることが大切です。
◆すでに経費等で支払ったお金
事業のために先行投資して支払ったお金は、
領収書やその支出が通帳で確認できれば自己資金として認められます。
しかしながら、いくら必要経費とは言え、人件費や交通費などは自己資金として
認めてもらえないことも多いためご注意ください。
自己資金は多い方が良い?
融資額は自己資金に比例するため、手元にあるお金がどれだけあるのかという事が
重要視されます。
自己資金が少なく、借入額が高くなってしまうと、毎月の返済額も高くなり負担が
大きくなってしまいます。
そもそも事業計画書等を元に、売上ノルマの達成が難しそうな事業だと判断されてしまう
と、融資を満額受けることは難しくなってしまいますので、自己資金をしっかりと
貯めて借入返済負担額を減らすことが大切です。
融資担当者との面接時にも起業準備をしっかりしてきたという証明にもなるため
自己資金は多い方が有利と言えます。
また、融資を受けるためのツールとなる一方で、事業を遂行する上での補完的要素も
兼ね備えています。
創業間もない時期は事業を軌道に乗せるまで時間がかかりますし、
事業が黒字化するまで最低でも3~6カ月程度かかると言われるのが一般的
です。
自己資金は創業後に資金がショートしないための大黒柱になりますし、
黒字化するまで下支えしてくれる大切な資金になります。
まとめ
創業融資を受ける場合、自己資金の調達は非常に骨が折れますが、
融資の可否を左右する最も重要判断材料になる為、事前にしっかり準備を
進めることが大切です。
そのためには、創業しようと思っている業種での実績作りや、計画的な資産運用をして
貯めてきた預金額の提示は、地道に創業準備をしてきたという証明にもなり、
熱意やヤル気を示すことができるアピールポイントになります。
そういったポイントを見せることにより、融資担当者の心証も良くなりますし、
計画的に準備をしてきたのであれば、滞りなく返済も可能な経営者になり得ると判断して
もらうことにも繋がるのだと思います。
自己資金があっても事業が上手くいくのかどうか不安ですし、融資を受けるべきなのか
どうかも判断しかねる場合もあると思います。
その場合、専門家に相談するなどして、不安材料なるべくクリアした上で創業できる
ように準備を進めてみてはいかがでしょうか。
さて、最後に、、、
現在の融資制度では、創業融資の他に様々な融資制度が準備されていますが、
なかでも”コロナ関連融資”は、日々、改変を重ね進化している状況です。
創業融資とコロナ融資は併用できませんが、うまく活用することで
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